眼瞼けいれんと顔面けいれん
眼瞼(がんけん)けいれん
眼瞼けいれんと顔面けいれん(正式には片側顔面けいれん)とは、名称が似ていますが、違う病気です。
眼瞼けいれんとは
眼瞼けいれんとは、目の周りの筋肉がけいれんして、目が開けるのが困難になったり、まばたきがうまくできなくなる病気です。時には瞼が垂れ下がり閉じてしまうこともあります。
脳内の運動を抑制するシステムが機能障害を起こすことによって生じると考えられていますが、発症の原因が完全に解明されていません。
眼瞼けいれんの症状
片側の瞼が単独でけいれんするものより、症状は両側に起こるものが多く、まばたきが多く、伏し目がちで、まぶたを閉じている方が楽になり、時には目が閉じたままになることもあり、道を歩くことも困難となり、日常生活に支障をきたします。
40歳代後半以降に多く見られ、女性患者が男性の約2倍です。最近では20歳代の若い患者さんも増えています。
眼瞼けいれんの治療
治療は、症状を抑える治療が中心となり、瞼へのボツリヌス毒素注射がもっとも有効です。
ボツリヌス毒素は神経筋接合部の神経末端と結びつき、脱神経を生じる事により筋弛緩をもたらします。通常、治療の3,4日後から効果が表れ、効果は3カ月程度持続する。
顔面けいれん
顔面けいれん(正式には片側顔面けいれん)と眼瞼けいれんとは、名称が似ていますが、違う病気です
顔面けいれんとは
片側の目をつぶるための筋肉、笑うときに収縮する筋肉、口の開閉にかかわる筋肉が自分は意図していないのに勝手に収縮・弛緩し、ピクピクとけいれんし続けてしまう病気です。40歳以降に多く見られ、女性患者が男性の約2倍です。
発症原因は、顔面神経が脳幹から出る部分で、血管によって圧迫されるために起こることが多いと考えられています。この他に解離性動脈瘤、静脈、腫瘍などによる圧迫の場合もあります。
顔面けいれんの症状
初期の頃は、目の周囲のピクピクだけが気になりますが、だんだん片側の顔全体に症状が出るようになります。
緊張、ストレス、疲れ、強い閉眼などの顔面筋の運動などで誘発されやすく、初めのうちはあまり気にならない程度でも、徐々にひどくなり、日常生活に支障を来すこともあります。
顔面けいれんの治療
治療は手術が最も根治的治療ですが、特に60歳以上ではリスクもあるので勧められません。
最近は勝手に動く筋肉にボツリヌス毒素注射をし、けいれんを止める方法が主流になりつつあります。通常、効果は3~4ヶ月程度持続します。